初期研修医の声

初期研修1年目S.U(R2年近畿大学卒業)

 大阪府出身、近畿大学卒業の研修医1年目、S.Uと申します。神戸大学のたすきがけプログラムでこの北播磨総合医療センターを希望し配属されました。正直なところ私は一度も当院を見学したことがなかったのですが、いざ働いてみて、当院が便利とは言えない立地にもかかわらず初期研修先として人気な理由が分かった気がします。ちなみに私が病院選びで重視した条件は、優先度の高い順に①病床数がそこそこ多い、②研修医の人数が多い、③宿舎があるor住宅手当が出る、④病院がきれい、というものでした。当院はこれらをすべて満たしており、また学生時代から車通学をしていて運転の不安はなかったことから、多少田舎であることは承知の上で選びました。引っ越し初日は、「えらいとこに来てしまった」と思いましたが、この地で3ヶ月半を過ごした今、美味しいお店はあるし、食料品や日用品を買うお店にも(車があれば)困らず、空気も綺麗で住みやすいところだと感じています。

 さて、私はこれまでに外科、救急科、麻酔科をローテしてきました。私からは、現在ローテ中の麻酔科について書かせていただきます。
 当院の1年目の麻酔科研修は外科系選択のうちのひとつで、ICU管理やペインクリニックなどは研修範囲に含まれず主に手術麻酔について学びます。初めの2週間は曜日ごとに別の指導医の先生のもとで、麻酔導入〜維持〜覚醒・帰室までの一連の流れや、麻酔記録の仕方、モニターの見方、各手技の手順など基本的なことを学びます。3週目からは自分で入りたい手術を選んで、指導医の先生とともに各症例の術前〜術後までを担当します。指導医が固定ではない分、基本的なところは共通でありながらも、各先生によってそれぞれ微妙に異なるやり方がみられるのも面白いポイントです。皆さんが気になる「手技」に関しても、丁寧なご指導のもと確実に習得することができます。しかし、手技が上達することはもちろん大切ですが、麻酔科ローテではそのことばかりに気を取られていてはもったいないと私は思います。私は外科志望なので、麻酔そのものや全身管理について、また麻酔科医の先生方が術中にどんなことを考えておられるか、といったことが知りたくて選択しました。
 学生にとっての麻酔科って、実習は1週間しかないし国試にもあまり出ないしカタカナの薬名ばかり覚えるのが大変だし…正直よくわからないといったイメージではないでしょうか。少なくとも私はそうでした。それが実際に回ってみて、麻酔科の先生は、手術という侵襲の大きな医療行為に際して、術中・術後に患者さんにいかに苦痛を与えず、かつ術者が安心して手術できるよう目を光らせ頭を働かせ、そして手を動かしているということを知りました。麻酔のかかった患者さんの命は、全面的に麻酔科医の手に委ねられています。自分のした行為の結果が数秒後には患者さんのバイタルサインに表れる。そんなところに麻酔科の面白さと責任の重さがあると私は感じています。 たくさん勉強しているつもりでも日々新たな疑問は生まれますが、こちらが熱意を持って取り組めば先生方はいくらでもそれに応えてくださいます。主体的に取り組もうとするほど学べることも多く、一歩ずつですが着実に成長できている実感があります。
 生理学や薬理学の知識、バイタルサインを読み解く力、広い視野で現状を見渡す力も養われ、麻酔科で学んだことは他科の研修でも、そして将来何科に進もうとも、必ず役に立つと思います。
 当院の麻酔科研修は必修ではありませんが、当院での研修が決まったあかつきにはぜひとも麻酔科を選択されることをおすすめします。優しく面白く熱心な先生方のもとで、充実した毎日が過ごせること間違いなしです!



同期女子5人で。Social distanceは保っていても心の距離はとても近い♡