当センター呼吸器外科は肺悪性疾患を中心として、呼吸器の外科的疾患全般を幅広く取り扱っています。肺癌に対しては1期、2期例に内視鏡手術やロボット支援下の低侵襲手術を行い、3期、4期の進行癌に対しても呼吸器内科や放射線治療科との連携をもとに、抗癌剤や分子標的治療薬、及び免疫チェックポイント阻害薬、放射線照射による治療を行った後に切除を行っています。
主な対象疾患は以下のとおりです。
・原発性肺癌、及び転移性肺腫瘍などの肺悪性腫瘍
・気胸などの嚢胞性疾患
・縦隔腫瘍、胸壁腫瘍、中皮腫などの腫瘍性疾患
・膿胸や胸膜炎、縦隔炎など炎症性疾患、その他
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
|---|---|---|---|---|---|
| AM | 手術 | 木村 再診(初診) |
処置 | 木村 初診/再診 |
手術 |
| PM | - | 合同カンファレンス | - |
北播磨総合医療センター呼吸器外科は2014年4月に開設されました。以来12年余りの間、当地域における呼吸器の外科的疾患に関する専門施設として活動して参りましたので、その一端を御紹介いたします。
当科の開設当初から行っている5科合同肺癌カンファレンス(呼吸器内科,呼吸器外科,放射線診断科,病理診断科、腫瘍内科)を行っております。このカンファレンスで患者さん一人ひとりに対してエビデンスに基づいた最適の治療法選択をめざしています。
当科では肺悪性腫瘍に対するロボット支援下手術を行っております。今回,使用した内視鏡手術支援ロボットda Vinciは、2015 年 に当センターに導入され、これまでに泌尿器科及び消化器外科において使用されてきました。肺悪性腫瘍に対するロボット支援下手は2018年から保険診療が認められ,全国的に広まりつつあります。


当科では、縦隔腫瘍に対する新しい低侵襲手術として「剣上突起下アプローチ(subxiphoid approach)」を導入しました。従来の胸腔鏡手術では、左右いずれかの肋間から複数のポートを挿入して手術を行う方法が一般的でしたが、この方法では肋間神経への影響により術後の疼痛が問題となることがありました。
これに対し、剣上突起下アプローチでは、胸骨の下(剣上突起下)に小さな切開を置き、そこから内視鏡および手術器具を挿入して縦隔腫瘍を切除します。肋間を通過しないため、肋間神経への刺激を避けることができ、術後疼痛の軽減が期待されます。また、正中からのアプローチとなるため、左右両側の縦隔を一視野で観察できるという利点があり、特に前縦隔腫瘍(胸腺腫など)に対して有用な手術法です。さらに、本術式は整容性にも優れており、創部が目立ちにくい位置に限局されるため、患者さんの満足度向上にもつながります。加えて、胸骨正中切開のように大きく胸を開く必要がなく、身体への負担を抑えながら安全に手術を行うことが可能です。
一方で、腫瘍の大きさや周囲臓器への浸潤の程度によっては、従来の胸腔鏡手術や開胸手術が適している場合もあります。当科では、それぞれの手術方法の特長を踏まえ、患者さん一人ひとりの病状や全身状態に応じて最適な術式を選択しています。

当センターは、一般社団法人National Clinical Database(NCD)の外科手術・治療情報データベース事業に参加しています(NCDホームページ)。
この事業は、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目指すプロジェクトです。この症例登録は、厳重な個人情報管理の元で実施されております。
| 氏名 | 補職名 | 卒年 | 資格等 |
|---|---|---|---|
| 木村 賢司 (きむら けんじ) |
主任医長兼診療科長兼呼吸器センター副センター長 |
2011 |
|
| 池内 真弥 (いけうち まさや) |
医員 | 2021 | |
| 松岡 和泉 (まつおか いずみ) |
専攻医 | 2024 |